Optimize ad creatives

広告クリエイティブ

AppleのApp Tracking Transparency (ATT) 実装に伴い、クリエイティブのテストに使用できるデータは少なくなります。より良い広告クリエイティブを作りたいというニーズは依然として存在する一方で、クリエイティブの最適化プロセスは現在急激な変化を遂げています。

Liftoffでは、ポストATT時代によりよいクリエイティブを提供する方法について、議論を重ねています。具体的には、クリエイティブのテストフレームワークを見直し、iOS 14.5以降のデータ減少に対応する取り組みです。本ブログでは、現段階までに我々が実際に学んだクリエイティブ最適化のためのアプローチ、ポストATT時代に対応するヒントをご紹介します。

取得できなくなったデータとは?

クリエイティブの最適化に関する前回の記事では、マーケターがA/Bテストを繰り返し行うことで最適化を実現できるフレームワークについてお話しました。しかし、通常A/Bテストで使用するデータに、AppleのSKAdNetwork (SKAN) で取得できなくなる今、iOSではこのプロセスを選択することは不可能になりました。

取得できなくなるデータにはどのようなものがあるのでしょうか?
ATT以前は、インストール後のイベントデータを利用して、アプリ内行動に基づきターゲットユーザーを絞り込むことができました。
しかし、SKANではイベントデータは広告主に送信されません。つまり、ファネル下層でのコンバージョンに基づきクリエイティブをテストすることができなくなります。

さらに、SKANでは異なるクリエイティブソースからのインストールデータが集約されるため、どのクリエイティブのパフォーマンスが優れているかを判別することが不可能になります。
これは、個別のクリエイティブに割り当てられたクリック数およびインプレッション数のデータとは異なります。
クリエイティブテスターが確認できるデータは以下です。

iOS 14.5以前、Liftoffのクリエイティブテストでは、A/Bテストの最も大きな部分にコンバージョン率(インプレッションからのインストール率など)を利用していました。
ATT以降は、コンバージョン率の代わりにファネル上部 (TOF) の指標を使用するアプローチに変更して対応します。粒度は低いものの、意図して活用すればファネル上部の指標には大きなインパクトがあります。

社内でさまざまな議論を重ねた結果として、ポストIDFA時代にクリエイティブテストに適用できる3つの基本原則をご紹介します。
パフォーマンスの高いの広告を作成するため、キャンペーンのプランニング段階でこの原則を使用して成果の最適化を目指しましょう。

ユーザー獲得とリターゲティングは同じ

アプリマーケティングが学校の授業なら、早い段階でユーザー獲得(UA)とリターゲティングは別々のもので、異なるメッセージが必要であると習うでしょう。
しかし、ATTの導入により、かつては異なると認識されていたこの行動は1つととらえる必要があります。
SKANにより、ユーザーがすでにアプリをインストールしたかどうかを知る術はなくなりました。
つまり、広告を表示したユーザーにアプリの初インストールを促すなど、ターゲットユーザーに合わせて異なるメッセージを使用することができないのです。

したがって、新しい広告を作成する際、マーケターは「新旧両方のユーザーにアピールするためにはどのような広告をデザインするべきか」を考える必要があります。以下は、シンプルなeコマースの例です。

ビジュアルは変更していませんが、コピーが少々あいまいになっており、明確な行動喚起(CTA)の代わりに誰にでも当てはまるメッセージが使用されています。

粒度の低いクリエイティブテスト

クリエイティブテストのフレームワークでは、クリエイティブテスト構築の2階層プロセスについてご紹介しました。
まず、弊社ではクリエイティブデザイナーが大まかな基本コンセプトを複数構築してテストします。
高いパフォーマンスのコンセプトが見つかったら、そのバリエーションが作成されてテストされ、広告を改善します。
各バージョンは大きく異なることはなく、コピーやボタンの色、CTAが異なる程度です。

データの利用が制限される現在、クリエイティブを簡単に比較することはできません。
インストール数に基づいて、同じキャンペーンで高パフォーマンスを生み出すクリエイティブバージョンを知ることができなくなります。

このデータ不足に対応するには、より広い視野を持つ必要があります。
広告で効果的に作用する小さいパーツのコンビネーションを探すのではなく、大きなコンセプトを改善し包括的な変更をしていくことが大切になります。

今後、広告において全く新しいアプローチをしながら大きなリスクを背負う必要性が生じます。
ただし、広告パフォーマンスの全体像がぼやけてしまうため、全体的な広告量は増加しないことをおすすめします。

真正性(Authenticity)がすべて

マーケターがフォーカスするのはユーザーをアプリに引き付ける元来のアイディアであると理解することが重要です。
計測可能なアクティビティがないと、データ不足を理由に誤解を招くような広告を配信してしまう危険性が増加します。
また、クリックスルー率の最適化が求められがちですが、これはクリエイティブの質の低下につながる恐れがあります。

例えば、「今すぐ$200ゲット」など、大げさな表現を使用したクリエイティブが大量に投下される手法をこれまでにたくさん目にしてきました。

一見魅力的な方法ですが、これは危険な火遊びです。エクスチェンジでは、誤解を招くクリエイティブにしばしばフラグが立てられ、アプリ(またはアプリのポートフォリオ)が完全にブロックされる可能性があります。

そのため、アプリでは真正性の高いメッセージを使用することが大切です。
上記の例の場合、アプリのタイトルと画像、そして「今すぐ登録すると$200が当たるチャンス」という文字を添えれば、アプリの価値を正確に伝え、誤解を招く恐れがありません。

インストール以降のパフォーマンスが重要である場合は、広告でアプリの機能を見せた方が、スパムのようなバリエーションより格段に効果が高くなります。常に誠実なメッセージを伝えることが不可欠です。

勇気を持って新しい時代に適応しよう

貴社のアプリにとって最適な方法が、すでに存在する手法であるとは限りません。
クリエイティブ制作という観点では新時代へ突入する今、新しいことに挑戦しクリエイティブを大胆に決定する勇気が必要です。広告クリエイティブは、アプリマーケターが舵を取ることを許された数少ないレバーの1つです。
試験的機会を無駄にしないようにしましょう。